外山滋比古さんの著書「忘れるが勝ち!」を読んだので、感想、概要を書き留めます。
本書のエッセンスを3つにまとめました。参考になれば幸いです。
忘れた過去は美しい
人間の脳は良くできており、嫌な記憶は時間が経つと忘れてしまうものです。
「昔は良かった」とか良く聞きますが、嫌な事柄を忘れてしまい、良かった記憶を「懐かしんでいる」といことなんですね。
「過去の記憶」「離れてしまった故郷」「伝説の人物」は、人間が忘れ、脚色がはいって「懐かしく」「美しく」しているのです。
「忘れること」が嫌な部分を消し去り「懐かしく」なる感情を発生させているといえます。デフォルメして、記憶を良いものにしているとも考えられます。
過去の嫌なものを忘れることは、人間が生きていくために必要な機能ですね。「忘れる」ということは大切な行為といえます。
メモに記憶を預ける
「忘れないようにメモをする」ことは、一般的なメモを取る目的ですね。
本書では「メモを取る」=「メモとして記録を残して、忘れる(=頭の余白を作る)」と考えます。
イメージ的には、メモとして残すことで、メモに記憶を預ける、感覚と思います。
パソコンの本体メモリから外部記憶媒体に、ファイルを「切り取り+貼り付け」をする作業に似ています。
メモを取ったら、安心して忘れてしまいましょう。
そんな気持ちでメモを取る。頭の中に残しておきたくない情報(休みを跨ぐ仕事など)は積極的にメモに残して頭の中から消し去りましょう。
上手に忘れる
メモを残すことも、上手に忘れる一つの方法ですが、それ以外にも、睡眠(レム睡眠)や運動、旅行、飲酒なども「忘れる」ことに大事な要素です。
何かに熱中することで、仕事や嫌な記憶は忘れる、薄くなっていきますね。
自分の熱中できる趣味は「忘れす」ために大事にしたいものです。
「忘れる」ことがなぜ大切か。それは、脳の容量を空けるため。
人が新しい知識や経験を吸収するためには、脳に空き容量が必要です。そのために、忘れ、空き容量を持っておくことが大事です。
「記憶」⇒「忘れる」の流れではなく、「忘れる」⇒「記憶」の順番です。
まとめ
「忘れるが勝ち!」を読みました。
忘れる、とはどういうことなのか、忘れることの意味やメリットが「なるほど」と頭に入ってくる本でした。
忘れることが、人生を前向きにし、新しい発想を生むことにつながるといえます。
たくさん知識を入れて、忘れて、ふとした時によみがえってくることが創造につながり、また、なつかしさ(良い記憶)を生み出します。
忘れることを恐れず、忘れるための行動(メモや運動、旅行など)を大切にしないといけないと思いました。
現代社会では、情報がどんどん入ってきます。頭のなかは情報のゴミであふれてしまいます。そうならないように積極的に「忘れる」=「記憶のゴミ出し」が必要なんですね。
以上
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