大江英樹さんの著書『となりの億り人ーサラリーマンでも「資産1億円」』の書評記事です。
どんな本?
元証券マンの著者が、「億り人」の共通点、と自身が考える、億り人になるための条件、資産運用における考え方を教えてくれます。
資産運用で、資産1億円を目指したいと考えている方にとって参考になる点が多く、「億り人」になるための根本的な考え方を学ぶことができます。オススメ。
内容は再現性のあるものが多かったです。
リスクの高い投資で「億り人」になろうというものではなく、比較的、普遍的な内容で、サラリーマンでも1億円を築くための基本的な方法がふんだんに書いてある本です。
参考になった文章
参考になった文章をならべていきます。
1.収入よりはるかに低い支出で生活する
2.資産形成のために時間、エネルギー、金を効率よく配分している
3.お金の心配をしないですむことのほうが、世間体を取り繕うよりもずっと大切だと考える
4.社会人となった後、親からの経済的な支援を受けていない
5.子供たちは、経済的に自立している
6.ビジネス・チャンスをつかむのが上手だ
7.ぴったりの職業を選んでいる
「成功を生む7つの法則」(「となりの億万長者」より)
個人的には、上の7つの法則の中では、3番目、4番目、7番目の法則が大事と思います。
私は、節約よりももっと大事なことが「天引きの習慣」だと思います。
自分の意志と関係なく、貯蓄、投資する「システム」が大事ですね。人間は感情やなまけ心があるので、システム(仕組み化)にすることが有効です。
一定額の現金、すなわち待機資金を用意しておき、市場が大きく下落したときに買い増しするということを実行できた人が成功しています。
欲張らず、余剰資金を備えておくこと、市場が大きく下落したタイミングで(売るのではなく)買い付けることが投資でうまくいくための大事なことですね(わかっているけど難しい!)。
実際にサラリーマンで資産を築いた人の多くは、自動車保険や火災保険には入っていても、生命保険や医療保険にはいっているという人は、今まで取材した限りではほとんどいません。
余計な保険というのは、資産形成の大敵ですね。保険は、毎月の固定費の大きなウエイトを占めます。私も自動車保険と火災保険以外は入っていません。
大前提は「長期での運用を前提とすること」そして「取るべき時にリスクを取る覚悟」だと思います。
投資というのは複利の世界なので長期運用のほうが勝ちやすいと、私は考えています。短期であるほど複雑でノイズやリスクが大きい印象です。
リスクを取ることも大事です。安全を取っているようで、かえって危険を冒していることは意外に多いですね。適切なリスクを取ることは何事にも大切な視点です。
最後にこれだけは絶対にやってはいけないということがあります。それは「暴落したときに売ること」です。
個別株は、その会社の業績次第で損切りする必要がありますが、市場全体が暴落したときは、ホールドする(我慢する)ことが長期的には得をするケースがほとんどかと思います。
「株も7%ぐらいは持っていますけど、ほとんどは投資信託ですね。私は銘柄を研究したりするのが苦手なんです。でも運用会社を選別するのは得意です(笑)。」
(個人投資家 こん吉さんのインタビューより)
自分の得意分野で勝負することが大切なんですね。アクティブファンドもうまく使うと資産形成の大きな手助けとなると思います。
「私、人間が無駄にお金を使ってしまう原因は『物欲』と『恐怖心』にあるんじゃないかと思うんですよ。」
(会社員 白川初美さん(仮名)のインタビューより)
物欲、見栄を張るため、不安を煽り、安心、安全を謳った商品はたくさんありますね。気をつけないといけませんね。
億り人の多くは①自分にとって意味のないことには1円たりとも出さない、②自分にとって大切なことは贅沢といわれようともちゅうしょすることなく使う、ということに徹しています。
何にお金を使うのか、自分の価値観に従った、メリハリをつけたお金の使い方を身につけたいですね。上手にお金と時間を使うこと。
まとめ
大江英樹さんの著書『となりの億り人ーサラリーマンでも「資産1億円」』の書評記事でした。
この本は、資産形成のための基本を教えてくれ、そのどれもが誰にでもできるもので、かつ再現性のたかい方法、考え方が中心です。投資をする多くの人にとって有用なものばかりでした。
こういう本は、読んでいて勇気を与えてくれますね。読んでいて楽しかったです。
投資で資産形成をする以前の考え方、基本が詰まっています。(個別株の選び方や、トレードのテクニックはありませんのでご注意を)
面白い本でした。
(「となりの億万長者」と間違って買ったのはナイショ・・・笑)
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