今日は、書評記事です。
脳内科医の加藤俊徳さんの著書「脳と心のしくみ入門」について書きたいと思います。
この本はイラストをふんだんに取り入れており読みやすく、脳とココロという難しい内容をわかりやすく解説してくれます。
【どんな人に読んでもらいたいか】
- 脳がどのようにココロとつながっているか興味ある方
- 日常の問題を脳科学の面から解決法を見出したい方
少し小難しい感じになってしまいましたが、内容は優しくイメージしやすいものとなっています。
本書の構成
本書は2部構成になっています。
第一部「脳からココロのしくみを知る」・・・脳の領域ごとの役割、脳がどのように成長するか
第二部「すべての答えは脳にある!」・・・脳科学から問題の本質と解決方法を学ぶ(事例ごとに)
第一部は少し難しい内容となっているので、さらっと流し読みするくらいでもいいかもしれません。
第一部で押さえておきたいポイントは、脳には役割に対応した領域があり、8つの領域(分野)から構成されている、というところです。
【脳を構成する領域】
- 思考系
- 感情系
- 伝達系
- 理解系
- 運動系
- 聴覚系
- 視覚系
- 記憶系
第二部では、この脳の領域のどの部分が関わっているのか、とういう説明が良く出てきますので、こんな分野(領域)があるんだと把握した上で読み進めるのが良いです。
第二部では、実際のよくある問題を脳科学の面から切り込んでいきます。
こんな感じの目次でした。
- 「できない・・・」のはなぜ?
- 困ったあの人の行動の謎
- 恋愛・結婚の謎を解く
- メンタルの謎を解く
- 脳にいいこと・成功の謎を解く
- 不思議な出来事も脳で解明する!
6つの項目から構成される第二部ですが、興味のあるところから先に読んで、あとは読み飛ばしてもいいかもしれません。
また気になったときにでも読んでみてください。
私は、特に「4.メンタルの謎を解く」が一番興味深く、面白いところと感じました。
次に「1.「できない・・・」のはなぜ?」のところでした。
参考になったところ
個人的に、参考になったところ、「へー、なるほど!」と思った部分をピックアップします。
自己肯定感の高い人と低い人の違いって?(p.119)
自己肯定感の高い人は、感情系の領域が発達しているそうです。
幼少のころの愛された経験が感情系の発達を促し、自己肯定感を高めることにつながるようです。
自己肯定感を高める方法は、以下の方法があります。
- 一日ひとつ自分をほめる「ほめ日記」をつける
- 自己肯定感の強い人(自信ありげな人)のふるまいをマネする
私も、自己肯定感は低めかなと感じているので、上の二つはやってみたいと思いました。
ほめ日記、あるいは「自分ほめツイート」でもやってみましょうかね?
過去を忘れてしまう人、いつまでも引きずる人の違いって?(p.131)
「過去を引きずる人は、過去を振り返る時間が長い人」とのことです。
シンプルな答えですが、確かにと納得します。
繰り返し思い出して考え込んでしまう「反芻思考」を持っている人ですね。
忙しすぎて仕事に追われるような人は、振り返る時間すらないから、過去をすぐ忘れてしまうんですね。
この過去を引きずる、嫌なことばかりを思い出してしまうことの対策は以下です。
- 嬉しかったこと、楽しかったことだけを記録する「思い出し日記」をつける
- 身体を動かして、意識を身体に向けることで感情系の暴走を止める
前項にもありましたが、日記をつけることは、かなり応用範囲の広い解決法なんですね。
日記を侮ってはいけませんね。
その他のためになるキーワード
その他の(個人的に)ためになるキーワードを以下にまとめました。
本書を読むときの参考に頂ければ幸いです。
- 人間の脳には「時間枠(期限)を設けたほうが働きやすい」という特性があります。(p.53)
- 普段から自分に対して「私は本当はどう感じている?本当は何がしたい?どうなりたい?」と問いかけることを習慣にしましょう。(p.128)
- 自分で自分に反論するとカタイ頭が柔らかくなる (p.139)
- 長く吐くことを意識して呼吸の効果を高めよう (p.159)
- 選択肢が多いことから生じる迷い、すなわち不確定要素を減らすことで脳の負担を軽減しているのです。(p.169)
不確定要素を減らす・・・
断捨離をしようと思います!
まとめ
「脳とココロのしくみ入門」を読みました。
面白い本でした。脳とココロについてより興味がわきました。
人間の脳とココロのしくみ、繋がりを勉強すると、合理的な解決方法を見つけられるような気がします。
本書では、いろんな事例がありますので、自分がこの本にあるような問題に直面したときは、読み直して問題の解決に役立てることができる本であると感じました。
かなり応用範囲が広い本かと思いますので是非!
以上
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