今日は、朝香友博さんの著書「日本一カンタンな日米10倍株をつかむ本」の書評記事です。
本書は、グロース株投資法の傾向が強い本です。
売り上げの伸びと月足チャートを重要視した投資方法です。
日米の二刀流で、どちらも上手く利用し合って利益を取りましょう。といったスタンスの本です。
本記事では、ポイントを3つに絞って紹介したいと思います。
大まかな内容を掴んでもらい、本書を読んでいただければ幸いです。
日本株と米国株の両方の視点を活かす
タイトルにもある、日米二刀流を簡単に説明すると、「日米の株価の連動性をうまく利用して両方の市場でうまく儲けましょう」ということになります。
本文から引用すると、41ページの下記のまとめが一番わかりやすいです。
- 全体相場が連動するので、先を読みやすい
- 1つのトレンドで日米企業が相次いで成長するので、一挙両得
- 結果として効率的なテンバガー量産
最近の米国株ブームもあり、米国の大型株の成長性が注目されがちですが、日本の大型株も遜色ない成長性があることを指摘されています。
米国のいわゆる「GAFAM」の株価は10年で10倍以上になっていますが、日本株でも、ソフトバンクグループ、ソニーグループ、キーエンス、ファーストリテイリング、日本電産のような大型株も10年で株価は10倍以上になっています。
意外かもしれませんが、日本の大型株も実は検討しているんですね。
日米のどちらの企業にせよ、私たちの身近な製品、サービスの会社に大きなヒントがあることを教えてくれます。
グロースPSRで割安性を判断
本書は、成長株投資に分類されますが、その成長性を測る指標として、PSRをもとに算出したグロースPSRを用いています。
私は、PSRはあまり馴染みがなかったのですが、本書を読んで、PERと同様に重要な指標なんだと認識させられました。
PSR=時価総額÷売上高
著書オリジナルのグロースPSRは、次の式で算出します。
グロースPSR:前期PSR、今期予想PSR、来季予想PSRから算出
このグロースPSRを使い割安度(=お値打ち感)を判断します。
この数値を使った具体的な判断基準は本書をご確認ください。(86ページ)
もちろん、売上高が伸びていることが前提ですが、この指標をうまく使えば、効率的に成長割安株を見つけることができそうです。
このグロースPSRによるスクリーニング含め、16個のチェックポイントが紹介されています。
月足チャートを使い買いタイミングを見極める
どのタイミングで株を買うのかは非常に悩むところです。
本書では、最も精度が高いと考える月足チャートを使ったエントリーのタイミングを教えてくれます。
月足チャートの9か月平均移動線(9MA)と18か月平均移動線(18MA)を使います。
「①大化け期待ゾーン」と、このゾーンの中における「②大化け加速サイン」があります。
【①大化け期待ゾーン】
- 株価が、9か月または18か月平均移動線のいずれかの上にあり、各移動平均移動線との乖離率が特定の範囲の中にあること
【②大化け加速サイン】
- 「大化け期待ゾーン」の中で、高値を更新した状態
ざっくりイメージを書きましたが、細かいところは本書を読んでいただけると幸いです。(本書143ページ参照ください。)
まとめ
朝香友博さんの著書「日本一カンタンな日米10倍株をつかむ本」を読みました。
短期で10倍ではなく、10年で10倍を目標とした長期投資のノウハウがたくさん書かれていました。
指標と月足チャートによりスクリーニングする方法は具体的で参考になります。
コラムや本文中によく出てきますが、最後は自分なりの視点(自分の強みを活かした視点)で判断するのが成功の秘訣とありました。
他人の意見を鵜呑みにするのではなく、自分なりの見方で判断することが大切なんですね。
成長株投資で参考になる点が盛りだくさんの本でした。
以上
コメント