【書評】「科学的な適職」は人生の価値観を見直すのに最適

書評
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鈴木祐さんの著書「科学的な適職」を読みました。

本書は様々な研究データを基にした職業の選び方について教えてくれます。

様々なエビデンスを基に解説してくれますので、説得力があり、「そうだったのか!」と気づきも多く楽しく読むことができました。

私自身も転職しようかどうかずっと悩んでおり、本書を読んで転職すべきかどうか、職業選びにおいて、自分にとって何が一番大切か考えなおすことができました。(未だに悩んでいますが・・・)

本書では5つのステップから自分の適職について段階的に考えていきます。

各ステップの簡単な説明をすると以下のようになります。

ステップ1・・・仕事を選ぶ際の間違った基準について(好きを仕事にする、など)

ステップ2・・・満足度の高い仕事の条件(どれだけ自分の仕事に裁量権があるか、など)

ステップ3・・・不幸な仕事の条件(長時間労働、長時間通勤など)

ステップ4・・・職業選びにおける思考のバイアスを取り除く

ステップ5・・・仕事の”やりがい”をどのように見出すか

本書全体における基本的な思考は、「正しい仕事を通じて人生の幸福度を上げる」です。これのための5ステップとして話が展開されていきます。

豊富なデータを基にした論調なので私の好きなパターンでした。

以下本書から興味深かった文章をピックアップします。

①「強み」と仕事の満足度には有意な関係があるものの、その相関はとても小さい

②その組織のなかに自分と同じ「強み」を持った同僚が少ない場合には、仕事の満足度が上がる

自分の強みを生かした職業に転職したいと思っていました。多くの人が思うかと思います。

②を見ると「強みを生かせる職場だけど、周りにライバルがいない職場が理想」と読み取れますね。

やはり「強み」を活かすことは大事だけど、極力ライバルのいない職場を選ぶことが大事なんですね。

職場に最高の友人がいれば仕事のモチベーションは700%上がる

「自分に似た人がどれくらいいるか」チェックせよ

人間関係は大切ですね。いかに自分の理想の仕事内容であっても、職場の人間関係が最悪であれが全てが台無しになりますね。

逆に少々大変な仕事であっても周りに愚痴をこぼせるような仲間がいたり、助け合いができる関係、いつでも相談できる上司、仲間がいれば仕事に対する満足度も上がりますね。

パワハラがあるような職場はかなりトラウマを植え付けますね。これは避けたい。

「自分に似た人をチェックせよ」は、自分と似たような人であれば仲良くなれる可能性が高いし、それが分かりやすい判断基準となるからのようです。

①一日の終わりに、自分がその日に行った就職・転職に関する意思決定の内容を三人称で書きだす。

②日記には最低でも15分をかけ、二段落くらいの文章を書く

三人称での視点で日記を書くことで客観的に考えることができます。

自分に起きた問題ですとあたふたして、冷静に判断するのが難しくなる一方、他人のトラブルに関しては意外と冷静に考えることができる、と感じる人は多いのではないでしょうか。私も思い当たることは多々あります。

職業選びに関しては、いろいろ悩むことも多いですが、仮に自分の親しい友人が自分と同じような状況で職業選びに迷っている(転職しようか悩んでいる)状態であればどんなアドバイス、判断をするかと考えてみることが大切ですね。

意外とすんなりと最適な答えがでるかもしれません。大切なポイントは第三者目線で冷静に自分の状況を考えてみることのようです。

このようなチェック表の点数で客観的な判断に役立ちます
まとめ

本書では転職、就職に関する選択について冷静に判断する方法を教えてくれます。本書を読むことで正しく職業選択を選ぶ助けになると思います。

チェックシートを使った論理的、客観的な方法を紹介してくれています。また、職業選びにおける思考のバイアス(偏り)の認識についても非常に参考になります。冷静な後悔しない判断の助けになると思います。

本書のあとがきに、

「自分が本当にやりたい仕事とは?」「自分にとってベストな仕事とは」と思い悩むよりは、ある程度まで偶然にゆだねたほうが確実に毎日を幸せに暮らせるはずです。

とあります。この一文が素晴らしいです。

転職・就職はいろいろ選択肢がありすぎて、悩むことが多いと思います。その職業の条件と自分の価値観との照らし合わせの繰り返しです。

後悔しないために合理的と思える手法で分析をして、あとはエイヤーと決めてしまうのがいいのかもしれませんね(転職するにしても、しないとしても)。

あとは偶然に身をゆだねる。なるようになると。

以上

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