今日は書評記事です。
加藤航介さんの著書で「驚くほどシンプルで一生使える投資の極意」です。
内容は、かなりマクロな目線での資産運用のし方、方針について教えてくれるものです。
内容の進行は対話形式で進みます。
資産運用会社に入社した新入社員とその指導役(メンター)との会話形式で、資産運用運用の意味、資産とは何か、どういう方針で人生と資産形成を考えたらよいのかを教えてくれます。
最初は、初心者向けの本かと思いましたが、読んでいてハッとさせられる内容も多く、これから資産形成をしたいと考える初心者だけでなく、ベテランの方にも参考になるところが多いのではないかと思いました。
本書から学んだことをポイントごとにまとめます。
資産は「人的資産」と「金融資産」を合わせて考える
人的資産・・・これから稼ぐであろう収入をもとに算出する
金融資産・・・保有している預金、株式、債券など
若い人ほど、金融資産に比べて、人的資産は多くなりますので、人的資産に対する「投資」が大切になります。
今後稼ぐ金額を上げるためのスキルアップ、経験に投資したほうが効率は良いことになりますね。
人的資産と金融資産を合わせて資産を考える必要があり、その資産が安定資産か成長資産なのか、その属性は国内なのか海外なのかを考えて資産のバランスを取る考え方が大切です。
日本の会社に勤めて、その金融資産のほとんどが日本円での預金である場合は、金融資産も人的資産もほとんどが安定資産の国内の属性でかなり偏りの大きいもの、と考えることができます。
自分の持つ人的資産、金融資産を合わせて考えて、バランスの取れる分散投資をしなければなりません。
株式市場は企業のモニタリング機能
政府・・・選挙によるモニタリング
企業・・・株式市場(株主)によるモニタリング
政府と民間企業を対にして、そのモニタリング機能、チェック機能はどこにあるのかと考えると理解がしやすいです。
企業の経営者は当然権力を持つわけで、その権力の監視機関は株式市場、株主になります。
株主総会で、取締役の賛否がありますね。それがわかりやすい株主による企業経営者へのモニタリング機能ということになります。
その企業の経営への評価が株価ということでもあり、株式市場は企業のモニタリング機能を果たさなければなりません。
株式市場へお金を投資することは、お金の社会参加ということになります。
投資家は良い企業、社会に必要とされる企業にお金を投じて、社会をより良くする使命を果たす必要があります。
アクティブファンドとインデックスファンドは半分半分
昨今は、インデックスファンドが流行していますね。
インデックスファンドは手数料も安く、リターンも優れています。
しかし、市場をまるごと買うインデックス投資は、企業へのモニタリング機能はありませんね。
「良い企業を選び、そこにお金を投じる行為」というものがありません。
これは株式投資のもつ本来の役割を果たしていないことになります。
インデックス(パッシブ)投資に否定的ではありませんが、選んで投資するアクティブファンドも必要で、そういった投資信託も見直してあげる必要はあると思います。
アクティブファンドは、やはりその投資理念(どのような基準、考えで投資しているか)に共感できるものを選びたいですね。
まとめ
「驚くほどシンプルで一生使える投資の極意」を読みました。
「そもそも投資とは何なのか、何のためにするのか」を再確認することができました。
私個人としては、人的資産はほとんど日本にあるので、金融資産は海外への株式に振り分けるのが正解となります。
海外への投資を前向きに増やしていこうと思います。
良い本でした。
投資をする皆さん、これから投資をしたいと考える皆さんに幅広く読んでもらいたい本でした。
以上
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